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上尾市のはぎむら眼科の眼瞼痙攣

眼瞼痙攣
眼瞼けいれんは、目をかこむ眼輪筋という筋肉が、自分の意思に関係なく痙攣する病気です。
症状は、まばたきが増えたり、まぶしさを感じたりすることから始まり、症状が重くなるとまぶたが開かなくなって、目が見えない状態にまで進んでしまうこともあります。まぶしい光やストレスは、これらの症状を悪化させます。症状の進行はゆっくりで、多くの場合は次第にけいれんの回数が増し、日常生活や仕事に支障をきたすことになります。

発症は中高齢者に多く、女性に多くみられる傾向があります。

眼瞼痙攣の治療
眼瞼痙攣は、内服薬の投与や手術によって治療されてきましたが、A型ボツリヌス毒素療法(ボトックス)が治療薬として国内でも認可され、使用されるようになりました。

これまで、眼瞼痙攣の治療には決め手となるものはないとされていました。ボトックスによる眼瞼痙攣の治療は、アメリカやヨーロッパなど海外では広く行われており、多くの患者さんに有効性と安全性が認められています。眼瞼痙攣が発症する原因がはっきり分かっていないため、現在この病気を完全に治す方法はありません。ボトックスによる治療は対症療法であり、生活に不都合がないように症状をおさえることを目的とした治療法です 。

ボトックスは、は痙攣しているまぶたの筋肉の数箇所に注射して、症状をおさえる注射薬です。
ボツリヌス菌がつくりだすボツリヌス毒素を主成分としています。ボツリヌス菌は食中毒の原因として知られていますが、ごく微量の毒素は痙攣を生じさせている神経の働きをおさえます。それによって痙攣を起こしている筋肉を弛緩させ(ゆるめ)、眼瞼痙攣の症状をおさえるます。

ボトックスの効果と副作用
ボトックスの効果は3~4ヶ月程度続きます。注射をすると、通常、数日で痙攣
の減少がみられ、1ヶ月くらいで最も効果が高まります。個人差はありますが、通常3~4ヶ月間、効果は続きます。注射後、一定期間経過すると、神経の働きが活発になってくるため、注射前の症状が再びあらわれてきます。
症状があらわれてきたら、再注射が必要となります。ただし、注射の間隔が短いと、毒素に対する免疫ができやすくなり、効果がなくなることが考えられますので、前回の注射から次の注射まで、最低2ヶ月は間隔をあけることが必要です。
「まばたきが多くなってきた」「まぶしさを感じるようになってきた」などの症状が再び出てきたら、早めにご相談ください。

副作用 として、まぶたを閉じる筋肉の力が弱くなりすぎると、顔を洗うときに水が入る、目が乾く、目が傷つくなどの不都合が生じやすくなることがあります。また、まぶたを閉じる神経以外の神経にもお薬が効いてしまった場合、その部分の筋肉の力が弱くなることもあります。
たとえば、かえってまぶたが開けにくくなったり、物が2つに見えたりすることがあります。しかし、これらの副作用は、薬が効きすぎているためで、神経の働きが回復するとともに徐々に戻ります。
いずれにしても、副作用が出たときには、すぐにご相談ください。

今回のアドバイス
眼瞼痙攣は、そのまま放っておいて自然に治る病気ではありません。

  通常の照明下でもまぶしくて目が開けていられない
  目が痛い、乾く、ということもないのに、まばたきが多くなり、ものが見づらくなった
  意識していないのに片目をつぶってしまったり、
まぶたが頻繁にピクピクとしてしまう
このような症状がありましたら、ぜひ早めにご相談ください。