盲点【マリオット盲点】

こんにちは。おおたけ眼科上尾医院の田村です。

暑い日が続いていますね。紫外線に注意しましょう。

今日は盲点についてお話します。

盲点【マリオット盲点】

私たちは、外界をみる時「視界に入るものは全て見えている」と感じています。しかし実際には、左右の目の網膜に1か所ずつ、何も見えない場所が存在しているのです。

◆なぜ「盲点」ではモノが見えないのか?
盲点は「視神経乳頭(ししんけいにゅうとう)」にあります。視神経乳頭は視神経が集まって、束になっているところです。
また、眼球から血管や視神経が出入りしているところです。

 

 

 

 

 

 

 

 

※白く光る部分が視神経乳頭(眼底写真)

 

 

視神経乳頭には光を感じる細胞(視細胞)がないので、この部分に集まった光は、信号として脳まで届きません。だから、脳では「見えない」と判断されます。
目から情報が入ってくるときに受ける部分を網膜と言い、カメラでたとえるとフィルムに相当します。
眼球の正面はカメラのレンズのような役割を果たし、目から入り込んだ光は上記の赤い部分で受け止められます。
ところが、脳にその情報を伝えるために、神経線維が束になって集まっている部分があり、その多くの神経が固まっているところに光が当たっても全く見えないのです。上の図で言う視神経乳頭部分で、これを視覚の盲点と言います。
ただし両目の盲点はそれぞれ別の角度にあり、お互いが盲点をカバーしあっているため普段は気づきません。
かと言って片目だけで見ても、その盲点が小さかったり、うまく脳が仕入れた情報を利用し補完してしまうので盲点に気づきにくいのです。

発見者である物理学者のエドム・マリオットの名前を取り、マリオット盲点(マリオット暗点)とも呼ばれています。
わたしたちが普段つかう「盲点」ということばは、この「マリオット盲点」からきています。
「盲点」は誰の目にもあるもので、病気ではありません。

◆なぜ普段の生活で「盲点」に気づかないのか?
左右の目が、それぞれの「盲点」を補っているから。
脳が、周囲の情報から盲点で見えていない部分を推測し、私たちが気づかない所でそっと補完している。

【試してみましょう】 視覚の盲点は以下の方法で確認できます。
ここでちょっと実験してみましょう。

 

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まず左目を閉じます(または手で左目をふさぐ)。そして上の十字のマークを右目だけで見ます。
右目で十字のマークを見ながら、となりの黒丸の存在を確認します。直接黒い丸を見てはいけません。視点を置くのは十字のほうだけですが、視野の片隅に黒い丸の存在を確認します。
そしてそのままゆっくり十字のマークに近づきます。近づきながらずっと十字を見つめておきます。
するとある一定の距離でこの黒い丸が消えるポイントがあります。視覚の盲点に入ったからです。そしてそのままさらに十字のマークに近づいていくとまたこの黒い丸は現れます。

必ず存在するマリオット盲点。
皆さんも一度、実感してみてください。