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上尾市のはぎむら眼科によるVDT症候群

VDT症候群
VDTとはVisual Display Terminalの略で、コンピューターを使用するための表示装置のことです。今、ワープロ・コンピューター・テレビゲーム等の普及により、VDT症候群といわれる新しい病気が増加しています。VDT症候群とは、VDTを使った長時間の作業により、目や体や心に影響のでる病気で、別名テクノストレス眼症とも呼ばれています。

VDTから出る電磁波自体に問題があるかを気にする人がいますが、電磁波そのものは低レベルのものであり、身体に影響ありません。また、ディスプレイの前面にフィルターを付けても、ディスプレイの周囲から電磁波が出ているので効果はありません。

VDT症候群における目の症状

1日の連続作業時間が長くなるほど、疲れ、視力が落ちる、かすみや痛み等、目に関する訴えが多くみられます。ひどくなると、近視、角・結膜炎、ドライアイなどの目の異常とともに、ひたいの圧迫感やめまい、吐き気までおこすこともあります。
目の症状の他にも、肩がこる、首から肩・腕が痛む、イライラしたり、不安感をまねくなどのカラダや精神に症状が出ることもあります。

なぜVDTによる疲労が問題なのか?
文字を書くのとVDT作業では、同じ目を使うのだから目の疲労は同じでは?と思いませんか?実は文字を書く・読むなどの作業でも、もちろん目は疲労しますが、一方、VDT作業では、長時間おなじ姿勢になるため、首、肩、腕、手などの筋肉が緊張します。また、視線がディスプレイ、キーボード、書類の間をひんぱんに移動するため、より疲労がおこりやすくなるのです。

また最近では、VDTを用いた学習機器が開発され、将来このVDT学習も増えることが予想されます。このVDT学習もテレビゲーム遊びの疲労と度合は同じなの?と心配される方もいますが、テレビゲームは、指先や手・腕のすばやい動きや、とっさの判断が求められますので、目の負担も大きく、じっくり見て考える学習とは、疲れる度合はずいぶん違います。

オフィスとご家庭で出来る対策
オフィスでのVDT作業では、以下の5つのポイントに心がけましょう。
① 1時間ごとに10~15分の適度な休けいをとりましょう。
遠くの景色をながめたりして目を休めるのも良いでしょう。
1時間に10分間程度休憩をいれ、体操したり、遠くの風景を見たり、目を閉じたりしましょう。人工涙の点眼を通して眼球乾燥を防止するとよいでしょう。
②ときどき適度に体を動かして、緊張をほぐしましょう。

VDT画面は、直射日光を避け、十分に明るく、照明が反射しない場所に設置してください。画面と目の距離は40~50cm位に保ちます。画面を少し下に設置すると、視線が下に向かうので、目の乾燥を防ぎます。
③メガネ、コンタクトレンズを使う場合は度の合ったものを使いましょう。
④ドライアイ、緑内障の人は過度なVDT作業で、病気が悪化する危険性が
ありますので、十分注意しましょう。異常を感じたら、空調から出る風が直接からだに当らないようにしましょう。
⑤異常を感じたらまず受診、早目に眼科専門の医師に診てもらいましょう。


ご家庭での子どもの目を守るテレビゲーム対策

長時間は禁物! 30分以内ならば許容範囲ですが、1時間以上は要注意です。
外で元気に遊びましよう。戸外で遊ぶことで、体の緊張をほぐし、目の症状をやわらげることができます 。
食事はかたよらないように。好き嫌いをなくして、栄養バランスのとれた食事を心がけることも大切です。

お子さんの約半分が熱中しているといわれるテレビゲーム。ゲーム時間が長くなると、ひどく目が疲れる、肩がこる、頭が痛いなどの症状をおこすことがあります。心配される目への影響としては、次のようなものが話題になっています。

照明なども気をつけましょう。

光には、明るさを示す「照度」と、輝き具合を示す「輝度」というものがありますが、とくに輝度が強すぎる場合は、視神経に負担をかけ、網膜を傷つけることになります。
また、目をいたわり、眼精疲労ドライアイを防ぐには、光の質や方向性も重要になります。照度とは、その場にどれくらい光が当たっているかを示すもので、単位を「ルクス」で表します。1ルクスは、1平方メートルに1ルーメンという光の強さが当たっていることを示します。作業や室内における一般的な照度の目安は、視力の変化も考慮すると、オフィスフロアでは150~300ルクスぐらいがよいと考えられています。また、デスク上で使用する電気スタンドの明るさは、同じく150~300ルクスの間が適度とされています。

視力検査では、照度200ルクス下で視力表を見るのが標準とされていますが、視力は照明(照度)によっても大きく変化します。例えば視力が正常であっても、一般的に照度が低い月夜の場合の視力は約0.2くらい、街灯下では約0.8、部分照明で200~300ルクスほどある電気スタンド下の視力は約1.5くらいになります。また、明るい太陽の下では500ルクス以上となり、視力はもう少し向上します。このように、照明は視力にも大きく影響してくるので、照明器具の扱いと調節は慎重に行うことが、目の健康に重要となります。

 

近視化
毎日長時間テレビゲームで遊んでいると、近視になる危険性が高いといわれています。
てんかん
光過敏性のてんかんの素因をもつ人のうち、テレビゲームのしすぎで発作をおこしたというごくまれな例が、マスコミでとりあげられていますが、はっきりしたことはわかっていません。楽しいゲームも目を傷めては台無しです。目もいたわりながら上手に遊びましょう。

今回のアドバイス
この病気には、眼科では目の疲れをやわらげ、目にうるおいを与える点眼薬や、体や目の緊張をほぐす飲み薬による治療がおこなわれます。ときには適切なメガネで視力を矯正したり、VDTの作業時用にメガネが処方されることもあります。
とにかくVDT症候群にならないために、ふだんから予防や対策につとめて、大切な目をいたわる事が大切で、作業中やゲーム中、目に異常を感じたら、早めに眼科の医師の診断を受けましょう。とくに角膜炎、結膜炎、ドライアイ、緑内障の人は、過度なVDT作業を控えましょう。