急性結膜炎は、細菌・ウイルス・カビなどの微生物、紫外線、ほこり・ゴミ・摩擦や、花粉などによるアレルギー反応などによって結膜に起こる炎症です。このうち、短期間に集団的に発生する急性結膜炎がいわゆるはやり目”いわれるもので、日常よく見られる代表的な病気です。これは、眼からの分泌物がもとで伝染します。ウィルスによるものが最も多く、伝染性も非常に強いので感染予防をすることが重要です。
ウイルスとは
ウイルスは細菌よりも小さく、目に見えない微生物で、自分で生きることができません。ヒトや動物の細胞内に侵入して、その細胞を自分の住みやすいように変えて住み着きます。ウイルスの住み着いた細胞はやがて衰え、死んでしまい病気になります。ところが、ウイルスに対する抵抗性が強い時は、ウイルスは活動をすることができないので、病気になりません。ウイルスに侵されないためには、健康で抵抗力の強いカラダづくりが大切です。
ウイルス性急性結膜炎の種類と症状
はやり目…流行性角結膜炎(りゅうこうせいかくけつまくえん)
まぶたの裏側のブツブツや充血、まぶたの腫れ、流涙などの症状が激しくあらわれます。感染してから7~14日で発病します。
プール熱…咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)
プールで感染することがあり、こう呼ばれます。結膜にブツブツができて、咽頭炎による発熱を起こします。感染してから5~7日で発病します。
※特にプールの利用には、以下のポイントにご注意ください。
水から上がったらすぐに水道水で目を洗う。
長時間泳ぐ時は水中メガネなどを使用する。
眼が充血していて目ヤニが出る日はプールに入らない。
泳いだあと眼が充血していても、あわてず様子を見る。
(ウイルス性結膜炎でないことも多い)
プールサイドに点眼薬を持っていかない。
(薬の変質、汚染の可能性があります)
急性出血性結膜炎
感染してから1~2日後に突然、眼球結膜に出血を起こし、ゴロゴロ感、充血、まぶしさなどがあらわれ、結膜にブツブツができます。
ウイルス性急性結膜炎の治療法
この病気に有効な点眼薬はありません。ウイルスに対する抵抗力をつけるため、休養を十分にとって体力を落とさないことが必要です。また、補助的に他の感染を起こさないために抗菌点眼薬や、炎症をおさえるためにステロイド点眼薬などを使用します。他の人にうつさないよう十分に注意しましょう。
また、症状がでたら感染予防のために以下にご注意ください。
手を流水や石鹸でよく洗いましょう
休養をとって体力を落とさなようにしましょう
学校・会社は医師の許可があるまで休みましょう
人の多いところへは出かけないようにしましょう
医師の許可があるまでプールに入らないようにしましょう
患者のタオル、洗面用具などは家族のものと別にしましょう
今回のアドバイス(後遺症と合併症への注意)
結膜炎の症状がおさまってきた頃に、黒目(角膜)の表面に小さな点状の濁りが出てくることがあります。このときに治療をやめると、黒目が濁って視力が落ちてくることがありますので、ご自身では治ったと思っても、医師からの診察で完治したとと言われるまでは、治療や感染予防を続けるようにしましょう。